更新日:2019年1月8日
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失業保険をもらおう
失業保険をもらおう!再就職するまでの期間はこれで安心
失業保険は、会社に勤めていた人が失業した場合のライフラインとして、再就職するまでの生活費をサポートする制度です。このページでは失業保険の基礎知識について解説します。
目次[非表示]
失業保険ってなに?
失業保険は、正式には「雇用保険の失業給付金」と呼ばれ、会社員やアルバイトのような企業から給料をもらって生活費を稼ぐ人が、解雇、リストラ、人員整理、または自らの都合で退職することになった場合に、次の就職先が見つかるまでの生活資金をサポートする制度です。
失業保険を受給するためには条件がありますが、それらを満たした人がハローワークで手続きを行い、求職者登録、つまり現在無職で再就職先を探している人であることが認められると、失業保険の受給資格が与えられます。
失業保険の受給資格を得た人のことを「雇用保険の受給資格者」といい、以下の「雇用保険受給資格者証」が発行されます。
「雇用保険受給資格者証」には、失業保険の受給資格として認定された日(資格取得年月日)、会社を退職した日付、退職した理由、退職したときの賃金日額などの情報と、受給できる失業保険の日額(基本手当日額)と、最大で受給できる日数(所定給付日数)など明記されます。
受給資格者は月に1回(4週間に1回)ごとにハローワークを訪れ、その間の就職活動の結果報告や、アルバイトなどで収入を得た場合はその日数・金額などを報告する義務があります。このとき提出する書類を「失業認定申告書」といいます。
どんな人が失業保険をもらえる?
企業から給料をもらう人の中には社長、役員などもいますが、失業保険が受けられる人は一般的な労働者で雇用保険に加入していた人に限られます。社長、役員は雇用保険に加入することができないため失業保険を受け取ることはできません。個人事業主についても雇用保険に加入できないため失業保険は受給できません。
失業保険を受けるには上述のとおり働いていたときに雇用保険に加入していることが絶対条件となります。雇用保険の加入条件は「週20時間以上の勤務」「30日以上の勤務」の両方を満たす場合に限られるので、短時間や短期間のアルバイト雇用などは該当しないこともあります。
また雇用保険に加入していても場合によっては失業保険を受給できないケースもあります。加入期間が短かったり、加入期間中の勤務日数が少なかったりした場合がそれに該当しますが、詳しくは後ほど解説します。
失業保険はどれくらいもらえる?
失業保険のもらえる金額は、会社を辞めたときの退職理由によってパターンが分かれるのと、雇用保険の加入期間、退職時の年齢や収入によって決定されます。
例えば次の人が失業保険をもらうとすると、
退職時の年齢 | 40歳 |
---|---|
退職日以前6ヶ月の給与総額 | 150万円(月25万円) |
雇用保険の加入期間 | 10年 |
退職理由 | 自己都合退職 |
失業保険の日額は5,331円で、最大で貰える日数は120日間となります。120日間すべて受給すると失業保険の総額は639,720円となります。
失業保険の日額や日数については以下のリンク先で詳しく解説します。また失業保険の自動計算ページもありますので、ご自身の条件で試算してみてください。
使えるなら使った方がお得な失業保険
失業保険の財源は、現役の会社員などから徴収した雇用保険料です。この雇用保険の中から、失業保険や職業訓練にかかる費用などがまかなわれています。
雇用保険料は、一般の会社で課税所得の0.3%(平成29年4月改正)、月給30万円だと900円が徴収されます。ちなみに会社は0.6%を負担しています。
例えば、月給30万円で10年勤務すると、個人で負担した保険料は約10万円となりますが、この人が失業保険を受ける場合、自己都合退職だと約60万円、会社都合退職だと約130万円(35歳~45歳未満の場合)にもなって戻ってきます。失業した場合の保険制度としては、とても優遇された返戻率といえます。
雇用保険料を払っていたのに失業保険が受けられない!?
冒頭でもいいましたが、失業保険を受給するには退職日以前に雇用保険に加入していることが必須となりますが、場合によっては雇用保険に加入していても失業保険を受給できないケースがあります。
例えばこんなケース
入社して6ヶ月、月に20日間働いていた会社を個人の都合により退職した。
失業保険の受給条件の中に「雇用保険の加入期間が過去2年間に12ヶ月以上ある(会社都合退職の場合は6ヶ月以上)」とあります。このケースでは個人の都合により退職していますので、加入期間が少ないことから失業保険は受給できません。
次はこんなケース
入社して12ヶ月、月に10日間働いていた会社を退職した。
雇用保険の加入期間は満たしていますが、失業保険の受給条件「月に11日以上の勤務」を満たせていません。やはりこのケースも失業保険を受給することはできません。
もしこれらのように、雇用保険には加入していたが期間が短い、または日数が足りないという理由で失業保険の受給条件を満たせない場合は、過去2年間にさかのぼり、別の会社で雇用保険に加入していた期間があればそれを通算することができます。該当する場合はすべての会社から離職票を取り寄せておきましょう。
もう一つこんなケース
10年以上フルタイムで働いてきた会社を長期入院するため退職した。
雇用保険の加入期間、勤務日数はクリアしていますが、長期入院するということはすぐに再就職することはできません。失業保険の受給条件に「働く意思と能力がある」というものがあります。長期入院する場合は仮に働く意思があっても物理的に再就職することは不可能とみなされます。よって失業保険を受給することはできません。
ただし、ケガや病気で求職活動が行えない場合は、失業保険の代わりに「傷病手当」を受給することができます。
失業保険の手続きはすべてハローワークで
失業保険を受給する場合は、少ない人でも3回はハローワークを訪れることになります。1回目は受給条件の判定に、2回目は受給説明会に、3回目は失業認定を受けに行かなくてはなりません。さらに引き続き失業保険を受給する人は毎月1回失業認定日にハローワークを訪れます。
1回目のハローワークでは、会社から受け取る「離職票」が必要です。ハローワークではこの離職票に書かれた「離職理由」「月給や日数」などを参考に失業保険の受給条件を判定します。
2回目では他の受給資格者と一緒に受給説明会に参加します。そして3回目の失業認定日で失業状態であることが認められると数日後に給付金が指定口座に振り込まれます。それ以降は失業認定→振込を繰り返すことになります。
失業保険受給中に再就職が決まったら「再就職手当」をもらおう!
失業保険の受給中に再就職が決まると失業保険はそこで打ち切りになりますが、所定給付日数(失業保険のもらえる最大日数)に残り日数に応じて「再就職手当」が出ることがあります。
例えば次の場合、
失業保険の日額 | 4,000円 |
---|---|
所定給付日数 | 120日間 |
残りの日数 | 80日間 |
退職時の年齢 | 40歳 |
この場合は再就職手当として224,000円が一括支給されます。再就職手当は「所定給付日数に対する残日数の割合」によって支給割合(給付率)が変わります。
再就職手当については以下リンクでさらに詳しく解説します。
まとめ
失業保険を受給するためには何度もハローワークに足を運ばなくてはなりません。最初の手続き、説明会、求職活動、認定日での書類提出など、少々面倒に思うこともあるかもしれません。
しかし失業保険は無職(無収入)状態においては生活の基盤となる大切な援助です。転職活動に専念するためにも決められて日にはきちんとハローワークを訪れるようにしましょう。また再就職が決まったら再就職手当の支給要件に合致するかどうかを確認し手続きすることも忘れないようにしましょう。
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