失業保険の手続き方法!退職してから受給までを解説

失業保険を受給するためにはハローワークでの手続きが必要です。このページでは会社を辞めてから、失業給付金が口座に振り込まれるまでを順を追って詳しく解説します。

失業保険受給のながれ

退職してから失業保険を貰うまでは次のような流れになります。

失業保険の手続きの流れ

以下で順番通りに解説します。



その1.受給するための条件を確認

まずは受給条件を確認しましょう。失業保険を受給するための条件で詳しく解説しますが、失業保険を受給するために最低必要な条件は次の通りです。

  • ① 雇用保険の加入期間
  • ② 働く意思と能力

 ①の雇用保険とは会社に就職する際に「週20時間以上の勤務」「31日以上の雇用期間」の両方を満たす労働者が必ず加入する保険で、アルバイト・パートも加入になります。

 雇用保険に加入していた期間が1年以上(会社都合退職の場合は6ヶ月以上)あることが条件の1つとなります。

 もしも加入期間が短く条件を満たさない場合は、過去2年間にさかのぼり他の会社で雇用保険に加入していた期間を合算することもできます。


 ②の「働く意思と能力」とは、再就職する意思(求職活動を行っている)があり、またその能力(病気やケガなどがない)がある状態をいいます。

 失業保険の申請をする際は、ハローワークで求職者登録をする必要があり、これで働く意思を示したことになります。

 なお病気やケガなどで今すぐに働けない状態であれば、失業保険の受給期間を引き延ばすか、または傷病手当を受給することができます。


その2. 手続きに必要なものを集めよう

受給条件がクリアできれば、次に手続きに必要なものを集めましょう。

  • ①離職票-1と離職票-2
  • ②マイナンバーの分かるもの
  • ③身分証明書(免許証など)
  • ④写真(縦3cm×横2.5cm)2枚
  • ⑤印鑑
  • ⑥預金通帳またはキャッシュカード

 ①の離職票は会社が作成しハローワークの受理印をもらった上で退職者に渡すものです。離職票-1と離職票-2があります。

離職票-1 離職票-2
離職票1 離職票2

 離職票-1には氏名や生年月日などの記載と、失業保険の振込先口座番号を記入する欄が設けられています。離職票-2には在籍していたときの月額給与、退職理由などが記載されており、失業保険の受給金額や日数を算出する基礎となる重要な書類です。※会社によっては退職者からの依頼がないと離職票を作成しない場合があるので注意が必要です。退職日前後に念のため会社に確認しておきましょう。

 ②のマイナンバーの分かるものとは、マイナンバーカード、通知カード、マイナンバー記載の住民票のいずれかになります。マイナンバーカードがあれば、③の身分証明書は必要ありません。

 ③の身分証明書はマイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、官公署が発行した写真付き証明書のいずれか1点、または、健康保険証、児童扶養手当証書などから2点用意します。

 ④の写真は直近3ヶ月に撮影したもので、正面上半身が映っていなくてなりません。同じものを2枚用意します。

 ⑤の印鑑はシャチハタ以外を用意しましょう。書類への捺印、記入ミスした場合の訂正印としても使用します。

 ⑥の預金通帳またはキャッシュカードは本人名義のものを用意します。「ゆうちょ銀行」はOKですが、「ネットバンク」「外資系の銀行」は不可です。


その3. ハローワークへ行こう

必要なものがそろったら、住居を管轄するハローワークに行きます。ハローワークでの手続き手順は次の通りです。

  • ①求職申込み
  • ②離職票の提出
  • ③受給資格の判定
  • ④受給説明会の日時決定

 ①求職申込みは、その1でも解説した通り「再就職の意思」を示すもので、失業保険手続きの第1課程となります。

 ②③では提出した離職票をもとに、ハローワーク職員が失業保険の受給資格を判定します。このとき離職票に記載の「離職理由」について異議がある場合は申し出ます。離職理由は会社が記入するので、もしかすると正当ではない理由が記載されているかもしれません。受給日数などに影響がでますので必ずチェックしましょう。

 ④受給説明会とは、失業保険の受給資格が認められた人が参加する「失業保険の受給方法など」についての説明会です。場所はハローワーク。日時もハローワークが指定します。通常は待期期間の7日間を過ぎてから数日後に開催されます。受給者は必ず参加しなくてはなりません。


その4. 受給説明会に行こう

ハローワークから指定された日時に受給説明会に行きます。受給説明会の流れは次の通りです。

  • ①受給に関する注意点などの説明
  • ②失業認定日の決定

 ①受給に関する説明では、求職活動に関することや、失業保険を受給するための流れなど、重要な案内があるのでしっかり聞いておきましょう。

 ②説明会が終わると、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡され、次回ハローワークに行く日時(失業認定日)が決定します。自己都合退職の人は3ヶ月後、会社都合退職の人は1か月後となります。その間に求職活動を月に1回以上(自己都合退職の人は3ヶ月空くので3回以上)行い、失業認定申告書に記載しておく必要があります。



その5. 失業認定日にハローワークへ行こう

指定された日時に、第1回目の失業認定を受けに行きます。

  • ①失業認定申告書を提出
  • ②失業認定を受ける

 ①失業認定申告書には、求職活動の実績や、収入があった場合の報告を記載します。認定を受けるには月に1回以上の求職活動が求められます。またアルバイトなどで収入があった場合は働いた日と収入額を記入します。偽りの報告を記入すると不正受給と見なされますので正確な活動内容を記入しましょう。

 ②失業認定を受けると正式に失業保険の受給資格者と認められ、ここで初めて給付金を受け取る権利が発生します。


その6. 給付金を受け取る

 失業認定日から5営業日後に指定した口座へ失業給付金が振り込まれます。初めてハローワークに行った日から、自己都合退職の人は3ヶ月+2週間くらい、会社都合退職の人は1ヶ月+2週間くらいで給付金を受け取ることになります。

 このような流れで、再就職が決まるまで、または給付日数が上限を超えるまで、月1回の失業認定日で報告書を提出し、5日後に給付金を受け取ることになります。


失業保険はどれくらいもらえるの?

 失業保険は「退職したときの年齢」「退職した理由」「在職中の収入」「雇用保険の加入期間」によって日額と日数が決定します。以下はそれぞれの条件でシミュレーションした結果です。


25歳/自己都合退職/月給25万円/3年加入

日額=5,331円 日数=90日

40歳/自己都合退職/月給40万円/15年加入

日額=6,666円 日数=120日

55歳/会社都合退職/月給50万円/30年加入

日額=7,775円 日数=330日


失業保険の計算方法については参照リンクの先で詳しく解説します。



日数を残して再就職が決まったらどうなるの?

 失業保険の受給中に再就職が決まると失業保険の給付は打ち止めになります。ただし一定の日数が残っている場合は「再就職手当」を受け取ることができます。



まとめ

 会社を辞めた後すぐに失業保険を受けたい場合は、早めに離職票を入手する必要があります。ただ離職票を作成するのは会社なため、こちらのペースでは動いてくれない場合もあります。離職票をなるべく早くもらうためには、退職日以前から作成依頼しておくのが良いでしょう。

 また自己都合で退職した場合は、受給説明会の日から3ヶ月後に第1回の失業認定日がやってきます。この間は失業保険を受け取ることができませんので、あらかじめ生活に必要な資金は手元にあったほうが良いでしょう。

 会社を退職し無職になると健康保険の切り替え年金の種別変更も必要です。やることがたくさんある中での失業保険の申請手続きとなりますが、再就職で失敗しないためにも給付金をしっかりもらいながら、地道な求職活動を行いましょう。転職に役立つ求人サイトでは取扱い求人件数の最も多い求人サイトや、専門分野に特化した求人サイトをご紹介しています。求職活動の一環としてご利用ください。

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