更新日:2018年3月17日
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再就職手当とは?計算方法や手続きについて解説します!
失業保険の所定給付日数を残して再就職が決まった時に支給される再就職手当。再就職手当を受給するには一定の要件が必要です。このページでは受給要件の解説と、再就職手当の計算方法などについて解説します。
目次[非表示]
再就職手当がもらえる条件をチェック
再就職手当を受給するためには以下の条件をすべて満たす必要があります。
- ■ 所定給付日数の残り日数が3分の1以上ある。
- ■ 待機期間(7日間)を終了している。
- ■ 給付制限がある場合はハローワーク経由の就職であること。
- ■ 再就職先(関連会社も含む)で雇用されたことがない。
- ■ 再就職先で雇用保険に加入し、1年以上の雇用が見込める。
- ■ 過去3年間に再就職手当を受給したことがない。
- ■ 失業保険の手続き前からすでに内定していない。
それぞれの条件について順番に解説します。
所定給付日数の残り日数が3分の1以上ある
所定給付日数の残りが何日あるかは、雇用保険受給資格者証の裏面を確認します。
失業保険を受給している人には必ず「雇用保険受給資格者証」が渡されます。表面には基本手当日額や所定給付日数が記載され、裏面には支給状況が記載されています。
その中に「残日数」という項目があります。失業認定日に支給が決定すると残日数が更新されます。再就職手当の計算をするときはこの残日数が所定給付日数に対して3分の1以上残っているかをチェックします。
残日数÷所定給付日数=1/3以上であれば条件クリア。
例えば、所定給付日数が90日、残日数が40日の場合、40日÷90日=0.44... ということで3分の1以上あるので条件クリア。
例えば、所定給付日数が90日、残日数が15日の場合、15日÷90日=0.16... ということで3分の1以下なので条件クリアできず。
失業保険の受給中に再就職が決まりそうな場合は、まず残日数を確認しましょう。
待機期間(7日間)を終了している
失業保険の手続きのために初めてハローワークを訪れた翌日から7日間のことを待期期間といいます。この間に就職してしまうと失業保険の受給資格を得ることはできなくなります。受給資格がないということは再就職手当も支給されません。
再就職手当をもらうためには、必ず待期期間を終了しておく必要があります。
給付制限がある場合はハローワーク経由の就職であること
自己都合退職した人や、特別な事情によりハローワークから給付制限されている人は、待機期間が終了してからの1ヶ月間は、ハローワーク又は職業紹介事業者(人材紹介)の紹介による就職でなくてはなりません。
例えば自己都合退職した人は、待機期間が終了してから3ヶ月の給付制限が設けられます。この期間の最初の1ヶ月間は、ハローワークから紹介された会社、または人材紹介会社から紹介された会社への就職でないと、再就職手当は支給されません。
再就職先(関連会社も含む)で雇用されたことがない
再就職先が、以前勤めていた会社や、その会社の関連会社であってはなりませんということです。これは再就職手当の不正受給を防止する為のルールです。
再就職手当を請求するときは、再就職先の会社も雇用したことを証明する書類に記入・押印します。その書類の中に、雇用者との関係を調査する項目があり、関係性がないことを証明してもらう必要があります。
再就職先で雇用保険に加入し、1年以上の雇用が見込める
雇用保険の加入条件は、「週20時間以上勤務する」「31日以上の雇用期間がある」の2つです。この2つの条件を満たさない就職は、再就職手当の支給には該当しません。
また1年以上の雇用については、例えば契約社員や派遣社員として1年未満の有期雇用契約した場合、その契約満了後に引き続き雇用される見込みがないと判断されると再就職手当は支給されないことになります。
雇用保険の適用と雇用期間については、たいてい会社の募集要項に記載があります。記載がなくても面接のときに条件提示などがあるはずなので、再就職手当をもらうためには、求職活動の際にしっかり雇用条件をリサーチするようにしましょう。
過去3年間に再就職手当を受給したことがない
雇用保険受給資格者証の表面に「再就職手当支給歴」という項目があります。ここに直近3年間の支給歴があると、再就職手当は支給されません。
支給歴には再就職手当のほか、常用就職支度手当や事業開始にかかる再就職手当も含まれます。
失業保険の手続き前からすでに内定していない
これも不正受給を防止するためのルールです。初めてハローワークで失業保険の手続きをした日(求職申込みした日)より前に、再就職の内定が決まっていた場合は再就職手当は支給されません。
再就職先の会社が記入・押印する書類に、採用日と内定日を記入する項目があります。この内定日は求職申込した日の翌日以降でなくてはなりません。
再就職手当の計算方法を解説
再就職手当の金額は、残りの失業保険の基本手当がそのままもらえるわけではありません。残日数の割合に応じて、残りの基本手当の60%、または70%が支給されます。それでは具体的な計算手順をご案内します。
① 所定給付日数に対する残日数の割合を計算する
残日数÷所定給付日数
所定給付日数と残日数は、雇用保険受給資格者証で確認できます。この計算結果が3分の1未満になる場合は受給条件を満たしません。3分の1以上になる場合は、次は給付率を確認します。
② 給付率を確認する
①が3分の1以上の場合 60%
①が3分の2以上の場合 70%
給付率とは、残りの失業保険の基本手当にかける割合です。平成29年1月1日に改正され割合がそれぞれ10%ずつ拡大しました。給付率が分かったら残りの基本手当に掛け算しましょう。
③ 再就職手当の金額を計算する
②の給付率×残っている基本手当
残っている基本手当とは、未支給の失業保険のことです。例えば基本手当日額4,000円、所定給付日数120日で総額48万円、40日消化(16万円)して残日数が80日(32万円・給付率70%)の場合は次のようになります。
給付率70%×32万円=224,000円
※再就職手当の基本日額には上限があります
基本手当日額が高い人の場合、再就職手当の日額が上限にかかることがあります。
60歳未満の上限=5,805円
60歳以上65歳未満の上限=4,707円
失業保険の基本手当日額が上限を超える場合は、この上限額で再就職手当を計算します。
再就職手当の自動計算ページを追加しました。以下リンク先ではあなたの条件で再就職手当の金額をシミュレーションできます。
再就職手当を受給するまでの流れ
失業保険の受給中に就職が決まった場合は就職日の前日にハローワークに行き、その日までの失業認定を受けます。これにより就職の届けを行ったことになります。そして就職日から1ヶ月の間に再びハローワークに行き、次の書類を提出します。
- ① 再就職手当支給申請書
- ② 雇用保険受給資格者証
- ③ その他、ハローワークから求められた書類
再就職手当支給申請書はこんな書類です。
自分で記入する欄のほかに、「事業主の証明」という欄があります。ここには就職した会社が、採用日、内定日、所定労働時間、雇用期間などを記入し、会社の代表者の印鑑を押します。
提出期限は就職してから1ヶ月以内です。再就職手当支給申請書はなるべく早めに会社に記入・押印してもらいましょう。
まとめ
再就職手当を受け取る為にはいくつかの条件をクリアした上で、就職先の会社に書類を書いてもらったり、またハローワークに行ったりとやるべき手続きがあります。
しかしせっかくもらえるのなら少し面倒でも手続きすべきです。人によっては数十万円にもなります。もちろん失業保険を上限額までもらった方が金額的にはお得かもしれませんが、早々に再就職できたということはそれだけで生活は安定しますし、そのうえ再就職手当が貰えるわけですから、一挙両得といえます。
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