退職した後(失業中)の住民税の支払い方、手続き方法を解説!

退職したら今まで給与から天引きされていた住民税はどうなるのでしょうか?どのように支払うの?その手続き方法は?このページでは退職後の住民税について解説します。

退職しても住民税は支払わなくてはならない?

住民税は昨年の年間所得をもとに計算されます。つまり在職中に給与から天引きされていた金額は、昨年の所得に対して課税された住民税の年額を12分割にして支払っていたということです。

したがって会社を退職したとしても、原則として残りの住民税の支払い義務が消滅することはありません。(※但しある一定の条件を満たす人は住民税が減額されることがあります。)

また、退職した後の住民税の支払い方法は、退職した時期によって変わることがあります。ここも重要なポイントとなりますので事項で詳しく解説します。



退職した時期によって変わる住民税の支払い方法

会社は、住民税を給与天引きしていた従業員が退職した場合、その従業員が住む自治体(市町村役場の住民税窓口)へ、退職したことを知らせる「給与所得者異動届出書」というものを提出します。

この書類には概ね次のようなことが記載されます。

・退職日
・退職日以降に残る住民税の残額
残額の納付方法

「残額の納付方法」には次の3つの方法があります。1つ目は「転職先で引き続き天引きする」、2つ目は「個人が支払う」、3つ目は「最後の給与で一括徴収する」からの選択となります。

1つ目は転職が決まっている場合に限るのでここでは割愛するとして、その他のどれが選択されるかは退職日によるところが大きく、多くの自治体は1月1日~4月30日の間に退職した場合は「一括徴収」を義務付け、それ以外の期間は「個人が支払う」になる場合が多いようです。

1月1日~4月30日の間で退職 最後の給与で一括徴収
5月1日~12月31日の間で退職 個人が支払う

ただし上記の納付方法は自治体によって異なる場合があったり、本人の希望が聞き入れられるケースもあるため、一概にルールが決まっているわけではありません。

もし住民税の納付について自身の希望がある場合は、退職する前に会社や自治体へ相談することをおすすめします。



退職金には住民税は課税される?納付方法は?

会社を退職するときに退職金がもらえる人も多いと思います。この場合、退職金には住民税が課税されるのでしょうか?

退職金も所得と見なされるため所得税・住民税ともに課税対象になります。ただし退職金は恩給的な要素が大きいことから、「分離課税」という他の所得とは合算しない課税所得の計算方法がとられます。

詳しくは以下の参考リンク先をご覧頂きたいのですが(税額シミュレーションもできます)、例えば勤続20年で退職金が1000万円の場合、住民税額は約10万円となります。

退職所得のような分離課税は、通常の給与所得などにかかる標準課税に比べると税負担が低くなる傾向があります。

また退職金にかかる所得税・住民税は、支給金額から天引きされるケースがほとんどなので、退職後に別途手続きしたり、個人で納付するようなことは原則ありません。



まとめ

会社で働いていると給与から色々なものが控除されます。その1つが住民税です。住民税は年間の所得に対して課税されますが、その納付は翌年の1年間で支払うようになっています。

つまり会社を退職しても未納付分の住民税が残っていればそれを支払う義務があります。最後の給与で一括徴収されるか、退職後に役所から納付書が届きそれを自分で支払うかのどちらかになります。

納付書で支払う場合はまとまった金額になるケースもありますので、退職する際は住民税の納付について会社と相談することも必要でしょう。

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