保険証がない状態を長引かせない!健康保険の選択はお早めに

退職するとそれまで入っていた社会保険の健康保険は喪失されてしまいます。退職後しばらくは健康保険証が手元にない状態になります。健康保険の切り替え手続きは出来るだけ急いで行いましょう。

退職後しばらくは保険証が手元にない状態に

保険証がなくて病院に行けない

会社に在職中、社会保険の健康保険に加入していた人は、退職日の翌日以降に保険証を会社に返還しなくてはなりません。仮に返還しなくてもその保険証は、退職日の翌日に効力を失うことになります。

このとき問題になるのが、「病院に行きたくても保険証がない」ということです。

保険証がない状態で病院に行っても、ほとんどの場合、保険対応での診療を受け付けてくれません。そうなると病院窓口で10割負担するしかなくなります。

また、無効になった保険証を病院に提示しても、その時は3割負担で済んだとしても、後日必ず本人のところへ残り7割分の医療費の請求がやってきます。

では新しい保険証をすぐもらうにはどうすればよいのでしょうか?



保険証がない状態を長引かせない為にも早めの選択を!

退職してしばらくは無職になる人、または自営業を始める人などは、新たに入る健康保険を選択しなくてはなりません。新たに入る健康保険の加入日は、退職した日の翌日となりますので、保険の空白期間は発生しないものの保険証が手元に届くにはもうしばらく時間がかかります。

早めに保険証を手にするためには、急いで加入手続きをしなくてはなりません。まずは、新たに入る保険にはどのような種類があるのか確認してみましょう。

保険制度の名称 加入要件と手続き
国民健康保険

【加入要件】

いずれの保険制度にも属さない人が加入
(無職の人や自営業者など)

【手続き】

お住まいの役所で退職後14日以内
健康保険の任意継続

【加入要件】

在職中に社会保険に加入していて、資格喪失以前、継続して2ヶ月以上の被保険者期間がある

【手続き】

協会けんぽ又は会社が加入していた健康保険組合で退職後20日以内
配偶者や家族の被扶養者

【加入要件】

配偶者や家族が社会保険に加入していて、あなたの今年の収入見込みが130万円未満である

【手続き】

配偶者や家族が勤める会社で退職後5日以内(又は各保険組名が定める期限まで)

退職後しばらく無職になる人は、以上の3つのどれかを選択し、加入手続きをしなくてはなりません。

どれを選択するかは、まず加入条件を満たすかどうかと、月々の保険料を比較するのが一般的です。保険料は、加入する人の収入や扶養家族のありなしによって金額が異なってきます。それぞれの保険制度のリンク先では保険料などについて詳しく解説していますのでご参考ください。

どの保険制度に加入するか決めたら、すぐに加入手続きに入りましょう。手続きが遅れるとその分だけ保険証が届くのも遅くなります。


どの保険制度に入ればいいか分からない...。

3つの保険制度のうち、要件的にどれにでも加入できるのであれば、確実に一番お得なのは、「配偶者や家族の被扶養者になる」です。

社会保険では被扶養者を追加しても、被保険者(加入している人)の保険料が上がることはありません。さらに配偶者の被扶養者になる場合は、年金についても支払う必要がなくなります。詳しくは厚生年金の被扶養者になるをご参考ください。

被扶養者になれない場合は、「国民健康保険」または「社会保険の任意継続」のどちらかになります。この2つについては、前年の年収、退職する直前の社会保険の等級、扶養家族の状況など、いろいろな情報を加味しなくては比較することができません。

国民健康保険と任意継続はどちらがお得?保険料を比較では、あなたの情報をもとに、それぞれの保険料の目安となる金額を算出し比較することができます。どちらか迷われている方は、是非ご参考ください。



退職後に健康保険の手続きをせずに放置したらどうなる?

健康保険の手続きをしないとどうなるの?

会社を辞めて保険証を返した後、健康保険について何も手続きをせず放置した場合は、「健康保険は未加入になる」のではなく、退職した翌日付で、国民健康保険に加入したことになります。

日本は国民皆保険の社会です。すべての国民がなんらかの健康保険制度に加入していなくてはなりません。その中で国民健康保険は、いずれの健康保険制度にも属さない人が加入する保険制度となっているため、手続きをするしないに関わらず強制加入となります。

それでは国民健康保険に切り替えたい場合は手続きをしなくてもいいのかというと、そうではなく、退職日から14日以内に役所で手続きをしなくてはならないとされています。

その理由は、手続きをしないと役所はあなたが社会保険を喪失し、その他の保険制度にも属していないという事実をすぐには把握できないため、いつまでも保険証が発行されないことと、保険料についてもかなり経ってから一括請求されるような事態になるためです。

保険証がない状態で長期間過ごすというのはとても不安ですし、いつかは保険料を払わなくてはならないのであれば、健康保険の手続きはしっかり行っておきましょう。



まとめ

日本は国民皆保険制度の国。「どの健康保険制度にも属さない人はいない」ことになっています。退職した人は「国民健康保険」「社会保険の任意継続」「配偶者や家族の被扶養者」のいずれか1つを選択しなくてはなりません。

決断が遅れると手続きが遅れます。手続きが遅れると保険証が手元に届きません。保険証がない状態では気やすく病院に行くこともできません。

当サイトでは、健康保険についてできるだけ詳しく解説するよう心がけています。退職した後、保険証のことで悩まないようにしたいからです。

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